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【図解】石油と灯油の違いとは?用途・定義・暖房用燃料をわかりやすく解説

冬になると欠かせない「灯油」。でも「石油と灯油って何が違うの?」と聞かれると、意外と説明できない人も多いのではないでしょうか。

実は、灯油は石油から生まれた燃料のひとつで、“同じようで違う関係”。石油は原油を精製して得られる燃料の総称で、灯油はその中の一製品です

この記事では、JIS規格や資源エネルギー庁のデータをもとに、石油と灯油の定義・用途・性質の違いを図解でわかりやすく整理。さらに「石油暖房」と「灯油暖房」の違いについても解説します。

ショウ

読み終えるころには、「どちらがどんな場面で使われる燃料なのか」が、すっきり理解できるはずです。

目次

石油と灯油、何が違う?用途と精製工程からわかる関係

石油と灯油の違いを示す図解。原油から得られる燃料の関係をわかりやすく説明し、石油が総称で灯油が家庭用燃料の一種であることを示す。

「石油」と「灯油」は混同されがちですが、実際には“全体と一部”の関係にあります。
石油は原油から得られる燃料全般を指し、その中に灯油が含まれているのです。

石油と灯油の違いを一言で言うと?

石油と灯油の関係を示す図解。石油は原油から精製される燃料全体を指し、その中にガソリン・灯油・軽油・重油などが含まれることを示す。灯油はその中の一種であり、家庭用燃料として使われることを強調した日本語インフォグラフィック。

「石油」は原油から精製されるエネルギー全体を指す言葉で、その中に「灯油」が含まれています。
つまり、石油は“総称”、灯油はその中の一種という関係です。

灯油は家庭の暖房や給湯などに使われる身近な燃料で、安全性と扱いやすさを重視した製品
一方、石油にはガソリンや軽油、重油なども含まれ、輸送・産業・発電といった幅広い分野を支えています。

ショウ

このように見ていくと、私たちが日常で使う「灯油」は、エネルギー全体の中でもっとも生活に寄り添った存在だとわかります。

用途の違い|輸送燃料としての石油、暮らしを支える灯油

石油と灯油の用途の違いを説明する図。ガソリンや軽油などの輸送・産業燃料と、灯油の家庭用暖房用途を対比したインフォグラフィック。

石油は、原油から分留(ぶんりゅう)されるさまざまな燃料の総称です。
たとえば、軽い成分のガソリンは自動車用燃料、軽油はディーゼル車や発電用、重油は船舶や工業炉などに使われます。

一方で、ちょうどその中間に位置するのが灯油
燃焼の安定性が高く、においや煤(すす)が少ないため、暖房器具や給湯器、ランタンなど、家庭での利用に適しています。

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つまり、「石油と灯油の違い」は、言い換えれば“使われる目的の違い”ともいえるのです。

精製工程の違い|炭化水素の範囲と分留による分類

出典:一般社団法人日本ガス石油機器工業会

原油を高温で加熱し、沸点の違いによって成分を分ける工程を分留(蒸留)といいます。
これにより、軽い順にガス、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油といった製品が得られます。

灯油は炭素数11〜13の炭化水素を主成分とし、燃焼効率が良く、扱いやすい燃料です。
対して「石油」は、このすべての燃料をまとめた総称を指します。

したがって、「石油と灯油の違い」をまとめるなら、
石油はエネルギー全体を指す言葉、灯油はその中の家庭用燃料といえるでしょう。


石油と灯油は、同じもののようでいて役割がまったく違います。
石油はエネルギー全体を支える存在、そして灯油はその中でも暮らしに最も身近な燃料です。

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次の章では、その土台となる石油そのものの性質と役割を見ていきましょう。

石油とは? ― 私たちの暮らしを支えるエネルギーの源

石油の採掘と利用を表す日本語インフォグラフィック。原油の採掘からガソリン・灯油・軽油などが精製され、私たちの暮らしを支えるエネルギー源であることを示した図。

石油と聞くと、ガソリンや灯油などを思い浮かべる人が多いかもしれません。
それぞれの違いを理解する前に、まずは石油そのものが何かを知っておきましょう。

石油とは、地下から採れる原油を精製してつくられる燃料の総称です。
ガソリンや軽油、灯油、重油など、私たちの生活や産業を支える多くのエネルギーが、この石油から生まれています。

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ここでは、石油からどんな燃料が生まれ、どのように使われているのかを見ていきましょう。

石油から生まれる燃料いろいろ(ガソリン・灯油・軽油など)

石油から生まれる燃料の種類を説明する図。ガソリン・軽油・灯油・重油の用途を自動車、トラック、ストーブ、船のイラストで表した画像。

石油は、地下深くから掘り出した「原油(crude oil)」を加熱して成分ごとに分けることで得られる燃料です。
この精製によって、性質の異なるさまざまな石油製品が生まれます。

資源エネルギー庁「石油製品需給動態統計調査」によると、代表的な石油製品にはガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油、重油(A重油・B重油・C重油)などがあります。

  • ガソリン:自動車やバイクなどの燃料
  • 軽油:トラックなどのディーゼル車
  • 灯油:ストーブやボイラーなど、暖房・給湯に利用
  • 重油:発電所や船舶の燃料

このように、「石油」はエネルギーの大きなグループを指し、その中のひとつが「灯油」です。
つまり、灯油は石油から生まれる“ファミリーの一員”といえます。

品目:ガソリン、ナフサ、ジェット燃料油、灯油、軽油、重油(A重油、B・C重油)、潤滑油、アスファルト、グリース、パラフィン、液化石油ガス(LPG)

出典:経済産業省 資源エネルギー庁[石油製品需給動態統計調査 概要]

石油はどこで使われている?家庭・産業・交通での役割

石油の使われ方を説明する図。家庭では石油ストーブや給湯器、産業では工場、交通では車や船で使われる様子をわかりやすく描いたイラスト。

資源エネルギー庁『エネルギー白書2023』(第2部 第1章 第3節)によると、2021年度の日本の一次エネルギー供給における石油の割合は36.4%
いまでも国内エネルギーの約3分の1を石油が支えています(図【第213-1-1】日本の石油供給量の推移)。

1970年代の「オイルショック」をきっかけに、省エネや代替エネルギーの導入が進みました。
それでもなお、石油は日本のエネルギーを支える主役級の存在であり続けています。

家庭では主に暖房や給湯用の灯油が使われ、寒い季節になると需要がぐっと増えます。
一方、産業や運輸分野ではガソリン・軽油・重油が中心的な燃料として活躍しています。

つまり、石油は私たちの生活のあらゆる場面――家でも、工場でも、道路の上でも――欠かせないエネルギーなのです。

日本の一次エネルギー供給における石油供給量は、石油危機を契機とした代替政策や省エネ政策の推進により減少しましたが、1980年代後半には省エネの一巡や原油価格の下落に伴って増加に転じました。1990年代半ば以降は、石油代替エネルギーの進展や自動車の燃費向上などにより再び減少傾向で推移し、2021年度の供給量は熱量ベースで6,735PJとなりました(図【第213-1-1】)。
また、2021年度の一次エネルギー供給に占める石油の割合は約36.4%です。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁『エネルギー白書2023』第2部 第1章 第3節 一次エネルギーの動向(図【第213-1-1】日本の石油供給量の推移)

石油は、生活や産業を動かすエネルギーの出発点です。
車を走らせ、工場を動かし、そして家の中をあたためる力を持っています。

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中でも、私たちの暮らしに一番近いのが灯油
次の章では、この灯油がどんな燃料で、なぜ冬の主役と言われるのかを見ていきましょう。

灯油とは? ― 冬の暮らしを支えるあたたかいエネルギー

冬の家庭で灯油ストーブを使って温まる様子を描いた日本語イラスト。灯油が家庭用暖房の主要エネルギーとして暮らしを支えていることを表した図。

石油の中でも、私たちの暮らしに最も身近な存在が灯油です。
冬になると活躍するストーブや給湯器など、家庭のあたたかさを支える燃料として欠かせません。

この灯油は、日本産業規格(JIS K 2203)によって品質や安全性が細かく定められている、れっきとした石油製品のひとつです。

ショウ

ここでは、そんな灯油の“ルール”と“品質”について、わかりやすく見ていきましょう。

JISで定められている灯油の規格とは?

JIS K 2203で定められた灯油の品質基準を示す日本語インフォグラフィック。引火点40℃以上、硫黄分0.008%以下と明記され、安全で環境に配慮した燃料であることを表した図。

灯油は、JIS K 2203:2023(日本産業規格)で定義されており、
灯火用・暖房用・厨房用・石油発動機用などに使用される燃料とされています。

この規格では、1号灯油について引火点(火がつく最低温度)は40℃以上硫黄分は0.008質量%以下と定められています。
これらは、安全性を確保しつつ環境にも配慮した品質を維持するための基準です。

つまり、灯油は石油製品の中でも安全性と安定性のバランスが取れた燃料といえます。
私たちが日常で安心して使えるのは、こうした厳格な規格によって品質が保たれているからです。

豆知識:灯油の独特なにおいは、実は硫黄分による“におい付け”によるものです。これは不純物ではなく、万が一漏れた際にすぐ気づけるようにするための安全対策。完全無臭にすると危険物としての存在に気づきにくくなるため、あえて硫黄成分によってわずかににおいを残しています。

本規格では、灯油の用途、品質、試験方法、表示方法などが詳細に定められており、
1号灯油(灯火・暖房・厨房用)については引火点40℃以上・硫黄分0.008質量%以下とされています。

出典:日本規格協会「JIS K 2203:2023 灯油」(表2 要求品質より要約)

安全に使うための灯油の品質基準(引火点・におい・純度)

灯油の品質基準を示すイラスト。引火点・におい・純度の3要素を日本語でわかりやすく表現した高画質イラスト。

灯油は、家庭で安全に使えるように精製され、不純物や硫黄分をできるだけ除去することで、においが少なく、燃焼時に煙やすすが出にくい性質を持っています。

中部経済産業局によると、販売店が取り扱う灯油は、品確法に基づき、JIS(日本産業規格)などの品質基準に適合している必要があり、行政による抜き取り検査などで品質が確認されています。

また、灯油は低温でも固まりにくく、寒冷地でも安定して燃焼できるのが特徴です。北海道や東北などの寒い地域では、今でも多くの家庭で主要な暖房燃料として使われています。

扱いやすく、燃焼も安定してクリーン。
寒い季節に欠かせないエネルギー――それが「灯油」です。

中部経済産業局によると、石油製品(灯油を含む)は「揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)」に基づき、環境・健康・安全の面から、JISなどの強制規格に適合しない製品の販売は禁止されています。

出典:中部経済産業局「石油製品販売業の概要と手続」

灯油は、安全でクリーン、そして寒い場所でも頼れる冬の定番エネルギーです。
では、なぜこれほどまでに多くの家庭で選ばれ続けているのでしょうか?

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次の章で、その3つの理由を見ていきましょう。

暖房用燃料として灯油が選ばれる3つの理由

古いアラジンストーブと「暖房用燃料として灯油が選ばれる3つの理由」の文字が入ったアイキャッチ画像。

数ある暖房燃料の中でも、いまなお多くの家庭で選ばれているのが石油暖房です。
「昔ながらの暖房」という印象を持つ人もいますが、灯油(石油)が選ばれ続けているのには、しっかりとした理由があります。

それは、安全性・電源を使わない利便性・そして経済性
この3つのバランスがとても優れているからです。
ここでは、その理由をひとつずつ見ていきましょう。

【理由①】燃焼性と安全性が高い

石油ストーブの窓から見える美しい炎。燃焼性が高く、安全に使える様子を表現した画像。

灯油は引火点が40℃以上と高く、ガソリンのように簡単には発火しません。
そのため、家庭で扱っても比較的安全で、安心して使える燃料です。
また、燃焼が安定しており、においや煙が少ないのも特徴。部屋全体をムラなく暖めてくれます。

主なポイントは以下のとおりです。

  • 寒冷地でも安定して着火可能
  • 引火点が高く、取り扱いが安全
  • においや煙が少なく、クリーンな燃焼

【理由②】電源を使わずに暖を取れる

避難所で石油ストーブを使い、電源なしで暖を取る様子を描いた写真。

停電時でも使えるのが、灯油ストーブの大きな強みです。
特に自然対流式のストーブは電気を一切使わないため、災害時やアウトドアでも大活躍。
電力に依存しない「自立した暖房手段」として、多くの家庭で備えられています。

  • キャンプや車中泊でも活躍
  • 停電や災害時にも使える
  • 電気代ゼロで暖が取れる

【理由③】燃料コストが安い

ガソリンスタンドの価格表示板に、灯油・軽油・ガソリンの単価が並んでいる風景。

灯油は、他の燃料に比べてランニングコストが非常に安いのも魅力です。
1リットルあたりの単価が低く、広い部屋を暖めるのにも経済的。
特に寒い地域では、コストと暖房性能のバランスが抜群です。

燃料の種類おおよそのコスト(1時間あたり)特徴
灯油約20〜25円高火力で経済的
電気(エアコン)約30〜40円即暖性が高いが電力依存
ガス約35〜45円都市ガス地域で安定供給

このように、灯油は安全・便利・経済的の三拍子がそろった、とてもバランスの良い燃料です。

灯油の良さを活かせるおすすめ暖房器具

灯油の特徴を最大限に活かすなら、安全で使いやすい石油ストーブが最適です。

昔ながらのデザインで人気の石油ストーブ!

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最後に、石油・灯油の呼び方の違いで混乱しないよう、次の章では「石油暖房」と「灯油暖房」の違いをQ&A形式でわかりやすく整理していきます。

「石油暖房」と「灯油暖房」の違いをQ&Aで解説

「石油暖房」と「灯油暖房」の違いをQ&A形式で解説するイメージ。ホワイトボードにQ&Aと書かれ、木人形が指し棒で説明している様子のイラスト。

「石油暖房」と「灯油暖房」、名前は似ていますが実は使う燃料や仕組みに明確な違いがあります。
どちらも“石油系燃料”を使う点では同じですが、指している範囲が少し異なるのです。

ここでは、石油と灯油の違いを踏まえながら、それぞれの暖房方式の特徴をQ&A形式でわかりやすく解説します。

石油暖房と灯油暖房の違いは?

実は、ほとんど同じものを指します。
「石油暖房」は石油を原料とする燃料(=灯油)を使った暖房全般のこと。
つまり家庭用では、実際に使われているのは灯油暖房です。
呼び方が違うだけで、燃料は同じなんですね。

石油と灯油の違いを簡単に言うと?

「石油」は原油から精製された燃料全体の総称で、その中に「灯油」が含まれます。
灯油は石油の中でも家庭で使いやすい安全な燃料で、ストーブやボイラーなどに使われます。
つまり、石油=大きなグループ、灯油=その一部という関係です。

石油・灯油・ガソリンの違いは?

どれも石油から作られますが、揮発性(燃えやすさ)と用途が異なります。

燃料名引火点(目安)主な用途特徴
ガソリン約 -40℃自動車エンジン非常に揮発性が高く、着火しやすい
灯油約 40℃以上暖房・給湯器燃えにくく安全性が高い
石油原油から得られる燃料全体の総称

ガソリンはエンジン用の高出力燃料、灯油は安全性重視の家庭用燃料です。

石油・灯油・軽油の違いは?

どれも原油を精製して得られますが、使う場所がまったく違います。

  • 灯油:家庭用ストーブ・給湯器向け(においが少なく安全)
  • 軽油:ディーゼル車や発電機用(出力重視)
  • 石油:それらをまとめた総称

軽油を暖房器具に使うのは不完全燃焼や故障の原因になります。
安全のためにも、用途に合った燃料を使いましょう。

ガソリンと灯油を混ぜると?

絶対に混ぜてはいけません。
ガソリンは非常に燃えやすく、灯油と混ぜると火災や爆発の危険があります。
燃料の性質が違うため、混合使用は厳禁です。

灯油と軽油は似てるけど違うの?

どちらも石油由来ですが、添加剤と精製工程が異なります。
軽油はディーゼル燃料、灯油は家庭燃料。
軽油をストーブに使うとにおい・煤・機器トラブルを引き起こします。

「石油暖房」といっても、家庭で使う燃料はほぼ灯油
つまり、石油=燃料の総称、灯油=家庭で使う代表選手と覚えておけばOKです。

まとめ ― 呼び方ではなく「用途・定義・仕様」で理解しよう

石油と灯油の違いを視覚的に比較したイラスト。左にオイル缶、右に石油ストーブを配置し、不等号で関係を示す。

「石油」と「灯油」は、似ているようで意味が異なります。
石油は原油から精製された燃料全体の総称であり、灯油はその中でも家庭用に使いやすく安全性の高い燃料です。

つまり、呼び方の違いよりも大切なのは、どんな目的で使う燃料なのかという点。
ガソリン・軽油・灯油はそれぞれに適した用途があり、性質を理解して使うことで、より安全で効率的にエネルギーを活用できます。

冬の暖房から車の燃料、工業用途まで――石油は私たちの暮らしを支えるエネルギーの要。
そして、その中で最も身近でやさしい存在が灯油なのです。

ショウ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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